現在、アレルギー性鼻炎の治療は「抗ヒスタミン薬」の内服が主流です。ただし、アレルギー反応はヒスタミン以外の物質も関与して起こるため、効果が不十分な方もいます。抗ヒスタミン薬の内服以外ではステロイド点鼻薬、ステロイド内服、抗ロイコトリエン薬や手術、スギ花粉エキスによる舌下免疫療法などもあります。これらの治療でも症状が改善されない最重症のスギ花粉症にたいして、2020年新たな選択として「抗IgE抗体治療」薬剤名:ゾレアが認可されました。
ゾレアによる治療を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
《ゾレアによる治療を受けるための条件》
■重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)で前スギ花粉シーズンでも症状※1があった。
※1過去の治療内容や症状により判断されます。
■スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)の結果が陽性※2だった。
※2スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上(TEIA法で3.5UA/mLまたはCLEIA法で13.5ルミカウント以上)が投与対象
■季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の既存治療を1週間以上行い、効果が不十分であった。
■12歳以上で、血清中総IgE濃度が30~1,500IU/mL、体重が20~150Kgの範囲にある。
※妊娠中および授乳中の方は、必ずご相談ください。
重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)でアレルギー検査の結果が陽性、既存の治療を1週間以上行い効果不十分な12歳以上の方が投与対象です。
ゾレアの投与の対象か確認するため、投与前に検査を行います。
ゾレア投与を受けるために条件を満たすか確認するために、投与前に数回受診していただく必要があります。
《1回目の受診》
■重症花粉症と診断
■血液検査:特異的IgE抗体検査(これまでに未実施の場合)
■既存治療を開始(抗ヒスタミン薬、点鼻薬等)
1週間以上経過後↓
《2回目の受診》
■既存治療で効果不十分なスギ花粉症であると診断
■血液検査:総IgE検査、特異的IgE検査(未実施の場合)
数日後↓
ゾレア投与量/投与間隔と自己負担額の決定
《初回投与日》
ゾレア投与開始(スギ花粉シーズン中、2週間または4週間毎に投与)
■併用する抗ヒスタミン薬の処方
1回目の受診では①スギ花粉症であることの確認をします。(副鼻腔炎など他の疾患によるものでないかCT検査やファイバースコープ検査などで確認する場合もあります)②血液検査(特異的IgE)の実施③既存治療、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻を用いて1週間以上治療を行います。
2回目の受診では①スギ花粉症の症状ガイドライン従い「重症」もしくは「最重症」であることを確認、②血液検査の結果を確認して投与可能か、投与量と投与間隔が決まります。
3回目の受診でゾレア投与開始となります。
花粉症の諸症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉、目のかゆみ等)の改善が期待できます。投与数日後~2週間後に効果が出始め、効果の持続期間は1ヶ月程度と言われています。
ゾレアの主な副作用は注射部位の赤身や腫れです。
ゾレアの投与で予想される主な副作用は、注射部位の反応です。
国内の臨床試験でもっとも多くみられた副作用は、注射した場所が赤くなったり、腫れたりする症状でした。
アナフィラキシー
■気管支のけいれん■失神■全身のかゆみ■呼吸困難■たちくらみ■くちびる、舌、のどの奥の腫れ
■血圧低下■蕁麻疹
このような症状が発現した場合、「アナフィラキシー」の可能性があり、全身にわたって生じるアレルギー反応により症状が急激に発症する可能性があります。ゾレア投与後の注意に関しては、医師や看護師の指導に従ってください。
ゾレアによる治療にかかる費用は、患者さんごとに異なります。
ゾレアは通常、1回75~600mgを2週間または4週間毎に投与します。ゾレアの投与量・投与間隔(薬剤費)は、初回投与前の血清中総IgE濃度および体重に基づき決定されるので、患者さんごとに異なります。また、窓口でのゾレア皮下注シリンジの薬剤費としての支払い額は年齢・所得によって異なります。
*ゾレアシリンジの薬価は2020年9月時点のものです
ゾレア投与前に受けるアレルギー検査費用についてご説明します。
ゾレア投与の条件を満たしているか確認するために、アレルギー検査費用がかかります。アレルギー検査は、やや高額となります。ただし、アレルギー症状の自覚があるなど、条件を満たせば健康保険が適用されます。保険適用内で検査できる項目には上限があるため、どのような検査を受けるべきかは、ご相談ください。
皮ふテストは、使用するエキスの数によって費用が異なり、1項目あたり約420円(健康保険3割負担適用時)です。なお、検査項目が同じ場合は、プリックテスト、スクラッチテスト、皮内反応のいずれも検査料に差はありません。
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・土曜日のオンライン再診受付(アイチケット)の受付は現在停止中です。
・重症スギ花粉症の方に向けて、抗体治療薬「ゾレア」による治療を開始します。
・感染症の迅速検査機器を導入しました。
・超音波画像診断装置(エコー)を導入 しました。
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